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人流データの測位方法

人流データは「人がいつどこに何人いるのか」を分析するために重要な指標ですが、その収集を依頼するにあたっては、注意しなければならないポイントが4つあります。本ページでは、そのひとつである「測位方法」の種類とそれぞれのメリットとデメリットに、特に焦点をあてて解説しています。

人流データの測位方法の種類

携帯電話基地局

NTT DoCoMoやSoftBanK、auなどの携帯電話キャリアが全国各地に設置している基地局に集まる、携帯電話端末の位置情報を統計化したデータになります。

メリット

携帯電話端末の電源が入っていればデータを収集できるので、大量のサンプルを取得したい場合に適しています。とりわけ人数の推計精度の高い人流データを得られるのが大きな強みとなっています

デメリット

基地局がどの程度の間隔で設置されているかによって、測位の精度が大きく左右されてしまいます。また計測できる時間間隔が数時間単位と長くなりがちなので、より詳細な人流データを集めるのには不向き。

GPS

GPS衛星が発する電波を携帯電話などの端末が受信するまでの時間から現在地を特定する仕組みで、主に主にスマートフォンのアプリを通じて取得されます。

メリット

位置情報が数分単位で取得できるため、上記の携帯電話基地局を通じたものよりも、制度の高いデータが得られます。とりわけ人が移動する軌跡を追いやすいのが強みとされています。

デメリット

特定のアプリを利用していなかったり、スマートフォン端末のGPS位置情報取得をOFFにしているといった場合には位置情報が取得できません。また地理的要因によってデータ取得ができないということもあります。

Wi-Fi

店舗や施設などに設置されている特定のWi-Fiスポットへの接続情報をデータ化するというやり方になります。

メリット

調査対象となる店舗や施設などを訪れた人流データをピンポイントで取得できるので、携帯電話基地局やGPSでは捕捉できないような来店計測を行うことができます。

デメリット

データを取得するためにWi-Fi機器を設置することが必須となります。またそうした方式ゆえにデータ収集は機器設置以降に限られてしまいます。もちろんWi-Fi機器の設置ができない場所のデータは取得できません。

ビーコン

「Bluetooth Low Energy」という近距離無線技術を用いて、信号を半径数10メートル範囲に発信するビーコンと、専用アプリをインストールしたスマートフォンとの通信によってデータを取得します。

メリット

専用機器を設置できる環境であれば、建物の中や地下街など電波が届きにくい場所であっても位置情報を取得することができます。

デメリット

言うまでもなく発信機の設置が必要となり、機器設置以降のデータしか取得することができません。また、スマートフォン端末のBluetooth機能がOFFとなっている場合もデータ取得はできません。

カメラ

文字通り、カメラを設置して撮影した映像を解析してデータ化するというやり方になります。

メリット

スマートフォンなどの特定の端末を持っていない人を含めて解析することができるというのが最大の特色。「混雑状況」や「人数カウント」、「属性解析」などに強みを発揮します。

デメリット

当然ながらカメラや周辺機器の設置が必要となり、また機器設置以降のデータしか取得することはできません。当然ながら、カメラを設置できない場所のデータは取得不可能です。

測位方法別!人流データソースを紹介

全国の人流オープンデータ(1kmメッシュ、市区町村単位発地別)

国土交通省不動産・建設経済局情報活用推進課が2019年1月~2021年12月の各月に実施した調査で、1kmメッシュ別に、いつ、何人が滞在したのかを各都道府県、市区町村別に年月別にまとめられています。活用の例として、コロナ禍における観光客減少やテレワーク推進によって人流がどのように変化したかの分析に役立てられたとされています。

モバイル空間統計

NTT DoCoMoが自社の携帯電話基地局をはじめとしたネットワークを活用し、1時間ごとの人口を、24時間365日推計しているというもの。「性別」「年代」「居住エリア」「地域」などの属性ごとに人口を分析でき、マーケティングや防災計画など、様々な用途に活用できるとアピールされています。

岡山市 都心・都市拠点の人流データ

岡山市では、KDDIにGPS位置情報を基として人流データの集計・可視化を依頼。市の施策の基礎資料として活用するとともに、オープンデータとして公開しています。小売店や飲食店、サービス業、不動産、建築などの商業活用はもとより、大学などでの教材としても役立てて欲しいとしています。

測位方法ごとに異なる、人流データ活用術

以上の通り、ひと口に人流データと言っても、測位方法にはいくつかの種類があり、それぞれにメリットとデメリットがあることがお分かりいただけたかと思います。ゆえに、人流データなら何でもいいという考えは禁物。自社が求めている、必要としているデータはどんなものなのかをしっかり吟味した上で、適した測位方法のものを選ぶことが肝心です。

また・人流データの分析や集計依頼の際には、測位方法のほかに、「集計方法」、「納品方法」、「データ処理」という3つの注意点があります。それぞれの該当ページをご覧になり、ぜひ知識を深めておいてください。

こちらでは、人流データ取得・活用のお手伝いをしているおすすめの会社を3社ご紹介しています。自社の次のステップに合わせられるよう、各企業が強みとしているポイントなどもまとめていますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

データ分析のプロセスとは収集・可視化・分析の3段階があります。
各段階によってデータの状態が異なり、どの状態のデータが欲しいのか見極める必要があります。
以下に各プロセスとデータの状態を解説し、対応できるおすすめのサービスも紹介しています。
満足のいく結果を得られるように、ぜひとも参考にしてください。

データの種類で選ぶ!おすすめの
人流データ分析サービス
3選
詳細はこちら

3つのプロセスで異なる
人流データ分析の活用術

データ分析のプロセスとは収集・可視化・分析の3段階があります。各段階によってデータの状態が異なり、どの状態のデータが欲しいのか見極める必要があります。以下に各プロセスとデータの状態を解説し、対応できるおすすめのサービスも紹介しています。
主に携帯電話を通じて集められた人々の動向「人流データ」を活用し、結果に満足できるサービスを選びましょう。

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定量的でシンプルな収集されたデータ
       
収集のイメージイラスト

このデータは、人の流れや動向・性質などを数量的に把握して、推計や分析は自社で行うことができます。地域間のばらつきがない基地局ベースの測位で、母数の大きなデータを取得できるサービスがおすすめ。

対応できるサービスはここ!
モバイル空間統計
(NTTドコモ)
  • 約8500万台の携帯電話契約数で母数の大きなゆがみの少ないデータの提供が可能。
  • 基地局ベースの最小500mメッシュ単位(一部地域で250mメッシュ単位)の分解能。

収集された人流データの
詳細を公式HPで確認

モバイル空間統計の
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理解しやすい可視化されたデータ
       
可視化のイメージイラスト

データをわかりやすく可視化すると、会議など意思決定の場で使うことができます。人流動向の現状把握をするためには属性データもある、細かい範囲で測位できるGPSデータを取得できるサービスがおすすめ。

対応できるサービスはここ!
KDDI Location Analyzer
(KDDI)
  • 契約者属性に紐づいた、年代や性別の分析も可能になるデータの提供が可能。
  • GPSベースで125m単位の狭域メッシュでの分解能。

可視化された人流データの
詳細を公式HPで確認

KDDI Location Analyzerの
サービス特徴をみる

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アクションをすぐに起こせる分析されたデータ
       
分析のイメージイラスト

分析されたデータは、早期課題解決のためのアクションがすぐに起こせます。一般的な可視化・分析よりも、より課題解決へ導けるデータを求めるなら、分解能が高くデータのゆがみを解消しているサービスがおすすめ。

対応できるサービスはここ!
xPop
(LocationMind)
  • 精度高く分析するために、データ処理を行っていて仮説検証も可能。
  • GPSベースで125m単位の狭域メッシュの他に、道路・鉄道リンク単位の集計も可能。

分析された人流データの
詳細を公式HPで確認

xPopの
サービス特徴をみる

※選定条件
2022年9月5日調査時点において、「人流データ分析」でGoogle検索した全27社において公式サイトで明記されている内容から以下の条件でピックアップしました。
■収集…基地局ベースデータによる、地域間差がなく、契約台数が一番多い(2022年9月調査時点)会社であるNTTドコモが提供する「モバイル空間統計」※参照元:NTTドコモ公式HP:(https://www.tca.or.jp/database/)
■可視化…空間分解能の範囲が狭いGPSベースと、通信キャリアならではの契約情報による属性が入手できる一社KDDIが提供する「KDDI Location Analyzer」
■分析…空間分解能の範囲が狭いGPSベースで、データのゆがみをとるマップマッチング処理を行っているため仮説検証分析まで行えることを公式サイトで記載している一社LocationMindが提供する「xPop」