「人がいつどこに何人いるのか」を把握するために用いられる、人流データ。このページでは、人流データと関連性の高いキーワードのひとつである「地理空間情報」について、人流データとの関係性も含めて解説しています。
「地理空間情報(Geospatial Information)」を簡単に説明すると、位置情報のついたデータ(属性情報)、あるいは位置情報そのもののことを言います。地理空間情報は日常生活の中に無数に存在しており、例えば以下のようなものが該当します。
それぞれの地理空間情報は単独のデータとして扱えますが、同じ位置情報に複数のデータを重ね合わせること(マッシュアップ)もでき、これによって新しい知見が得られることもあります。
また、数ある地理空間情報を活用するために、地理空間情報を分析・可視化するシステムとして「地理情報システム(GIS:Geograhphic Information System)」が開発されています。
地理空間情報は、位置情報と属性情報がセットになっていることが一般的であることから、人流データとも関連しています。例えば、店舗における地理空間情報としては、1日あたりの来店者数などの人流データを紐付けることが可能です。
国土交通省は、産官学の地理空間情報を扱うプラットフォーム「G空間情報センター」にて「全国の人流オープンデータ」というオープンデータの人流データを提供しています。
この人流データは、民間企業が提供するシステムを利用して取得した位置情報データをもとに作成されたもの。位置情報の母数が少ないエリアでは拡大推計するなどして、地域ごとのデータ量のばらつきがなくなるようにしています。
また、取得した人流データは、GISソフトを使えば地図上に反映でき、各地における人口密度などを可視化することが可能です。
日常生活の中に無数に存在する地理空間情報は、GISソフトを使うことによって、人流データ分析などを効率的に行うことが可能です。近年では、WEB上で人流解析を行えるGISサービスも登場しているため、気になる方は一度調べてみることをおすすめします。
こちらでは、人流データ分析を専門的なサービスとして提供しているおすすめの3社をまとめています。地理空間情報を加味した人流データ分析を行ってもらうことも可能なので、人流データ分析を検討している方は、こちらもぜひ参考にしてください。
データ分析のプロセスとは収集・可視化・分析の3段階があります。各段階によってデータの状態が異なり、どの状態のデータが欲しいのか見極める必要があります。以下に各プロセスとデータの状態を解説し、対応できるおすすめのサービスも紹介しています。
主に携帯電話を通じて集められた人々の動向「人流データ」を活用し、結果に満足できるサービスを選びましょう。
このデータは、人の流れや動向・性質などを数量的に把握して、推計や分析は自社で行うことができます。地域間のばらつきがない基地局ベースの測位で、母数の大きなデータを取得できるサービスがおすすめ。
データをわかりやすく可視化すると、会議など意思決定の場で使うことができます。人流動向の現状把握をするためには属性データもある、細かい範囲で測位できるGPSデータを取得できるサービスがおすすめ。
分析されたデータは、早期課題解決のためのアクションがすぐに起こせます。一般的な可視化・分析よりも、より課題解決へ導けるデータを求めるなら、分解能が高くデータのゆがみを解消しているサービスがおすすめ。
※選定条件
2022年9月5日調査時点において、「人流データ分析」でGoogle検索した全27社において公式サイトで明記されている内容から以下の条件でピックアップしました。
■収集…基地局ベースデータによる、地域間差がなく、契約台数が一番多い(2022年9月調査時点)会社であるNTTドコモが提供する「モバイル空間統計」※参照元:NTTドコモ公式HP:(https://www.tca.or.jp/database/)
■可視化…空間分解能の範囲が狭いGPSベースと、通信キャリアならではの契約情報による属性が入手できる一社KDDIが提供する「KDDI Location Analyzer」
■分析…空間分解能の範囲が狭いGPSベースで、データのゆがみをとるマップマッチング処理を行っているため仮説検証分析まで行えることを公式サイトで記載している一社LocationMindが提供する「xPop」