「人がいつどこに何人いるのか」を把握するために用いられる、人流データ。このページでは、人流データと関連性の高いキーワードのひとつである「パーソントリップ調査(PT調査)」について、人流データとの関係性も含めて解説しています。
「パーソントリップ調査(PT調査)」とは、ある都市における人々の移動に着目した調査です。「どんな人が」「いつ」「どこからどこへ」「何のために」「どんな交通手段で」移動したのかを調べ、人々の一日の動きを捉えます。
PT調査において、人の移動は「トリップ」という単位で計測され、ひとつの出発地から目的地までの移動を1回とカウントします。PT調査を行うことによって、ODデータや各交通手段の利用割合、交通量、行動する人々が多い時間帯などを把握することが可能です。
日本においては、1967年(昭和42年)に広島都市圏で初めて本格的な調査が行われて以来、全国各地の都市圏で概ね10年に一度の頻度で実施されています。
パーソントリップ調査(PT調査)は、ODデータや交通実態を把握できる調査であることから、人流分析で収集するべきデータソースのひとつに挙げられます。PT調査の結果を分析することで、都市圏における人々の動きや交通実態を把握または予測でき、都市機能を円滑に保つための施策を検討することが可能となります。
パーソントリップ調査(PT調査)は、概ね10年に一度の頻度で実施されるものであるがゆえ、次回調査が行われるまでデータの鮮度はどんどん落ちていきます。そのため、人の動きをリアルタイムで追いたいと考えている場合は、最適なデータソースであるとは言えないケースもあるでしょう。
パーソントリップ調査は、人々の一日の動きや交通実態を調査・分析するうえで効果的なデータソースですが、リアルタイムの分析には向いていません。商圏調査などとともにリアルタイムなデータを必要としているのであれば、人流データ分析を検討してみてください。
ここでは、人流データ分析を専門的なサービスとして提供しているおすすめの3社をまとめていますのでこちらも併せてご参考にしてください。
データ分析のプロセスとは収集・可視化・分析の3段階があります。各段階によってデータの状態が異なり、どの状態のデータが欲しいのか見極める必要があります。以下に各プロセスとデータの状態を解説し、対応できるおすすめのサービスも紹介しています。
主に携帯電話を通じて集められた人々の動向「人流データ」を活用し、結果に満足できるサービスを選びましょう。
このデータは、人の流れや動向・性質などを数量的に把握して、推計や分析は自社で行うことができます。地域間のばらつきがない基地局ベースの測位で、母数の大きなデータを取得できるサービスがおすすめ。
データをわかりやすく可視化すると、会議など意思決定の場で使うことができます。人流動向の現状把握をするためには属性データもある、細かい範囲で測位できるGPSデータを取得できるサービスがおすすめ。
分析されたデータは、早期課題解決のためのアクションがすぐに起こせます。一般的な可視化・分析よりも、より課題解決へ導けるデータを求めるなら、分解能が高くデータのゆがみを解消しているサービスがおすすめ。
※選定条件
2022年9月5日調査時点において、「人流データ分析」でGoogle検索した全27社において公式サイトで明記されている内容から以下の条件でピックアップしました。
■収集…基地局ベースデータによる、地域間差がなく、契約台数が一番多い(2022年9月調査時点)会社であるNTTドコモが提供する「モバイル空間統計」※参照元:NTTドコモ公式HP:(https://www.tca.or.jp/database/)
■可視化…空間分解能の範囲が狭いGPSベースと、通信キャリアならではの契約情報による属性が入手できる一社KDDIが提供する「KDDI Location Analyzer」
■分析…空間分解能の範囲が狭いGPSベースで、データのゆがみをとるマップマッチング処理を行っているため仮説検証分析まで行えることを公式サイトで記載している一社LocationMindが提供する「xPop」