電車やバス、タクシーなどの交通は、私達の生活に欠かせないインフラの一つです。同分野では、人流データ分析の活用が盛んに行われており、利用促進や広告選択の提案など多目的に使用されています。ここでは、交通分野における人流データの活用事例をご紹介します。人流データ分析の効果的な活用方法をお探しでしたら、参考にしてください。
多彩な分野で活用されている人流データですが、交通分野においても多種多様な活用方法が見られます。例えば新しい観光商品開発やプロモーションを実施するため、観光周遊ルートの把握に人流データを活用しているケースもあります。また、運営する鉄道路線の特徴を知ってもらうために人流データを活かし、展開するメディア選択のヒントを提供している企業も。このほか、人流データを用いて社会実験を行ったケースも見られます。
交通分野では人流データ分析を活用するには、分析ポイントがカギとも言えます。こちらでは課題にマッチするサービスの選び方を解説し、おすすめの会社を紹介しています。
東日本旅客鉄道(JR東日本)では、鉄道の利用促進に向けた観光商品の開発や、各種プロモーション施策に人流データを活用しています。JR東日本は、自社で改札の通過人数やsuicaの利用データなどを保有しています。一方で改札外の移動情報は乏しく、二次交通も含めた実際の観光周遊ルートを把握するために人流データを導入しました。
その結果、集計作業やレポート作成などにかかる時間の75%削減に成功。また、これまで点でしかなかった観光動向を、線や面で把握することが可能になりました。
東京メトロの交通メディアの開発・運営を行うメトロアドエージェンシーは、顧客のメディア選択に人流データを利用しています。主に位置情報を活用しており、人の動きなどを把握できる仕組みを整えています。顧客は、東京メトロが運営する路線・駅の特性を把握することができ、データ(ファクト)に基づいたメディア選択を提案しています。この仕組によって広告の効果を高め、より具体的なターゲットへの訴求が可能になります。
竹中工務店は、自社が有する人流データやテクノロジーを活用し、なんば駅前ひろばで社会実験を実施しました。実験は2016年11月に実施され、道路やタクシー待機場などの一部エリアを仮設ひろばとして開放し、人の行動を測定しました。1日数万人のデータを分析することで、タクシー待機場などをイベントスペースに変更した際の周囲への影響が検証されています。
なお、一連のデータは時間帯別の混雑度や滞留状況のほか、駅ビルへの主要な動線などの分析にも使われています。こうしたデータは、導線を予想して集客に活かしたり、時間帯ごとの混雑対策を行ったりなど、幅広い領域で活用することが可能です。
ここでは、人流データ分析を交通分野の課題解決に導いた実際の事例をいくつか紹介しました。近い将来にデータ分析はどこまでの課題を解決できるかをこちらのページではまとめています。
交通分野では、人流データを観光施策や顧客のメディア選択など、さまざまな領域に使用しています。いずれにせよ、人流データ分析をビジネスで活かすためには、分析会社の特徴と自社のニーズがマッチしていることが重要です。おすすめの会社3選を紹介していますのでご覧ください。
データ分析のプロセスとは収集・可視化・分析の3段階があります。各段階によってデータの状態が異なり、どの状態のデータが欲しいのか見極める必要があります。以下に各プロセスとデータの状態を解説し、対応できるおすすめのサービスも紹介しています。
主に携帯電話を通じて集められた人々の動向「人流データ」を活用し、結果に満足できるサービスを選びましょう。
このデータは、人の流れや動向・性質などを数量的に把握して、推計や分析は自社で行うことができます。地域間のばらつきがない基地局ベースの測位で、母数の大きなデータを取得できるサービスがおすすめ。
データをわかりやすく可視化すると、会議など意思決定の場で使うことができます。人流動向の現状把握をするためには属性データもある、細かい範囲で測位できるGPSデータを取得できるサービスがおすすめ。
分析されたデータは、早期課題解決のためのアクションがすぐに起こせます。一般的な可視化・分析よりも、より課題解決へ導けるデータを求めるなら、分解能が高くデータのゆがみを解消しているサービスがおすすめ。
※選定条件
2022年9月5日調査時点において、「人流データ分析」でGoogle検索した全27社において公式サイトで明記されている内容から以下の条件でピックアップしました。
■収集…基地局ベースデータによる、地域間差がなく、契約台数が一番多い(2022年9月調査時点)会社であるNTTドコモが提供する「モバイル空間統計」※参照元:NTTドコモ公式HP:(https://www.tca.or.jp/database/)
■可視化…空間分解能の範囲が狭いGPSベースと、通信キャリアならではの契約情報による属性が入手できる一社KDDIが提供する「KDDI Location Analyzer」
■分析…空間分解能の範囲が狭いGPSベースで、データのゆがみをとるマップマッチング処理を行っているため仮説検証分析まで行えることを公式サイトで記載している一社LocationMindが提供する「xPop」