2020年7月に設立された大阪大学発のスタートアップ企業、HULIX。同大学院の山口弘純教授らが発明したLiDARによる解析技術で、リアルタイムの人流データを取得・解析しています。ここでは、HULIXの人流データ分析の特徴や具体的なサービス内容などについてご紹介しています。
HULIXは、2020年7月に設立された大阪大学発の人流データ解析スタートアップ企業。大阪大学大学院の山口弘純教授らの発明による「LiDAR」を活用した解析技術「ひとなび」を運用し、商業施設や公道などのさまざまな空間を行き交う人・モノの情報を、リアルタイムで取得・解析を行っています。
LiDARの点群データから抽出したリアルタイムの情報を空間時系列データへと変換するAIエッジ技術(※)を保有するなど、大学発の企業としてさらなる研究開発を進行中です。
※大阪大学にて特許出願中
LiDARから得られた点群データをAIで解析し、行き交う歩行者の量や動線、速度などをリアルタイムかつ高精度に計測できるシステム「ひとなび」。公道における通行量調査はもちろんのこと、商業施設における来場者数のカウントなど、現状マンパワーを中心に行っている業務をAIが代行します。
人の目では困難だった広範囲・長時間の人流データ分析が、「ひとなび」の活用で正確に行うことができます。
HULIXの導入事例が公式HPで掲載がありませんでしたが、実証実験を多くおこなっています。
※引用:HULIX公式HP(https://www.hulix-tech.com/news)
HULIXの人流データ分析サービスは、LiDARから取得したデータを解析する「ひとなびーむ」、および「ひとなびーむ」で解析したデータを活用するプラットフォーム「ひとなびじょん」から構成されています。
社名 | 株式会社HULIX(ヒューリックス) |
---|---|
所在地 | 大阪府吹田市山田丘2-8 大阪大学 吹田キャンパス内 テクノアライアンスC棟8階 |
設立年 | 2020年 |
資本金 | 公式HPに記載なし |
公式サイト | https://www.hulix-tech.com/ |
データ分析のプロセスとは収集・可視化・分析の3段階があります。各段階によってデータの状態が異なり、どの状態のデータが欲しいのか見極める必要があります。以下に各プロセスとデータの状態を解説し、対応できるおすすめのサービスも紹介しています。
主に携帯電話を通じて集められた人々の動向「人流データ」を活用し、結果に満足できるサービスを選びましょう。
このデータは、人の流れや動向・性質などを数量的に把握して、推計や分析は自社で行うことができます。地域間のばらつきがない基地局ベースの測位で、母数の大きなデータを取得できるサービスがおすすめ。
データをわかりやすく可視化すると、会議など意思決定の場で使うことができます。人流動向の現状把握をするためには属性データもある、細かい範囲で測位できるGPSデータを取得できるサービスがおすすめ。
分析されたデータは、早期課題解決のためのアクションがすぐに起こせます。一般的な可視化・分析よりも、より課題解決へ導けるデータを求めるなら、分解能が高くデータのゆがみを解消しているサービスがおすすめ。
※選定条件
2022年9月5日調査時点において、「人流データ分析」でGoogle検索した全27社において公式サイトで明記されている内容から以下の条件でピックアップしました。
■収集…基地局ベースデータによる、地域間差がなく、契約台数が一番多い(2022年9月調査時点)会社であるNTTドコモが提供する「モバイル空間統計」※参照元:NTTドコモ公式HP:(https://www.tca.or.jp/database/)
■可視化…空間分解能の範囲が狭いGPSベースと、通信キャリアならではの契約情報による属性が入手できる一社KDDIが提供する「KDDI Location Analyzer」
■分析…空間分解能の範囲が狭いGPSベースで、データのゆがみをとるマップマッチング処理を行っているため仮説検証分析まで行えることを公式サイトで記載している一社LocationMindが提供する「xPop」