総合建築会社として知られる竹中工務店ですが、近年では人流データ分析を活かしたソリューション事業も行っています。ここではその特徴や事例について、詳しく見ていきましょう。
竹中工務店の人流データソリューションは、建物の設計や施工に用いられるBIMデータと、建物内外の人の属性や行動などといった人流データの可視化、分析、計測を組み合わせ、人の動きを定量的に評価。空間に関する課題を割り出し、改善提案行うことに特化しています。
竹中工務店の人流データを活用したサービスは、駅や商業施設、屋外広場などのレイアウト動線やイベント効果の検証といった実績があります。建物や街を利用する人の流れを把握し、行動変容を促すことで空間全体の付加価値を高め、最終的には「新たな街づくり」に繋げていくのが目的です。
元々はタクシーの待機場や道路として使用されていた駅前ひろばに関し、入場者の流れを分析 することを目的に、新たな利用の幅を広げるべく調査が行われました。
なんば駅前ひろばは、3日間限定で「仮設のひろば」という名称でスペースを開放。竹中工務店では1日3万人を超える人流を、独自のツールを用い細かく測定。今後休憩可能な場所としてカフェやイベントスペースなどに活用した場合、どの程度影響を与えるかについて将来的な面も含め検証できたと言えるでしょう。
運転見合わせ時の駅構内の状況や、時間ごとの混雑度、滞留状況などを把握するために調査を実施。スムーズな動線に繋がる可視化、分析を行いました。
竹中工務店では、人流ダッシュボードを活かし、混雑エリアや時間帯、利用人数などを可視化。運転見合わせ時の滞留状況や人の変遷なども見て、改札前や駅コンコースなどの主要動線を確認しました。こういった分析は、今後の駅の活用やトラブル時の柔軟な動線確保などにも役立つと考えられます。
竹中工務店は建築会社としての手腕を活かし、駅構内や広場、大規模な建物など開放的な空間に関する人流データ分析を得意としていることが窺えます。このように、人流データ分析と一言で言っても、さまざまなサービスがありその会社の特徴が異なります。成果を出すためには課題にマッチする分析会社選びが重要です。こちらではおすすめのサービスを紹介しています。
社名 | 株式会社 竹中工務店 |
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所在地 | 大阪府大阪市中央区本町4-1-13 |
設立年 | 1610年 |
資本金 | 500億円(2022年3月現在) |
URL | https://www.takenaka.co.jp/j_contact/anfrage/ |
データ分析のプロセスとは収集・可視化・分析の3段階があります。各段階によってデータの状態が異なり、どの状態のデータが欲しいのか見極める必要があります。以下に各プロセスとデータの状態を解説し、対応できるおすすめのサービスも紹介しています。
主に携帯電話を通じて集められた人々の動向「人流データ」を活用し、結果に満足できるサービスを選びましょう。
このデータは、人の流れや動向・性質などを数量的に把握して、推計や分析は自社で行うことができます。地域間のばらつきがない基地局ベースの測位で、母数の大きなデータを取得できるサービスがおすすめ。
データをわかりやすく可視化すると、会議など意思決定の場で使うことができます。人流動向の現状把握をするためには属性データもある、細かい範囲で測位できるGPSデータを取得できるサービスがおすすめ。
分析されたデータは、早期課題解決のためのアクションがすぐに起こせます。一般的な可視化・分析よりも、より課題解決へ導けるデータを求めるなら、分解能が高くデータのゆがみを解消しているサービスがおすすめ。
※選定条件
2022年9月5日調査時点において、「人流データ分析」でGoogle検索した全27社において公式サイトで明記されている内容から以下の条件でピックアップしました。
■収集…基地局ベースデータによる、地域間差がなく、契約台数が一番多い(2022年9月調査時点)会社であるNTTドコモが提供する「モバイル空間統計」※参照元:NTTドコモ公式HP:(https://www.tca.or.jp/database/)
■可視化…空間分解能の範囲が狭いGPSベースと、通信キャリアならではの契約情報による属性が入手できる一社KDDIが提供する「KDDI Location Analyzer」
■分析…空間分解能の範囲が狭いGPSベースで、データのゆがみをとるマップマッチング処理を行っているため仮説検証分析まで行えることを公式サイトで記載している一社LocationMindが提供する「xPop」